結論
voicyサウザーラジオでは勤め人卒業のためにやってはいけないことを教えてくれます。
それは出世競争に巻きこまれることです。
「これをやったら成功するよりも、これをやったら失敗する」の方が再現性が高いと信じています。
長時間労働の罠に落とそうとする理由、落ちる理由
給料の意味は労働力を再生産するための経費です。
例えばご飯を食べて、お風呂に入って、服を着替えるための経費です。
給料は仕事の成果や責任の対価ではなく労働力再生産のコストです。
という話がvoicyサウザーラジオで何回も出てきます。
はじめて聞いた時はじゃあお医者さんや弁護士の給料はなんで高いの?といった疑問も出てきたのですが、マルクス資本論について書かれた本を読むと、なるほど理屈が通っていることがわかります。
8時間働いても16時間働いても労働力を再生産するのにかかる経費は2倍変わりません。
ご飯を1日6回食べたら労働力が2倍回復するかと言えばNoです。
つまり事業家は最低限の給料で長時間働かせたほうが利益が得られるのです。
これが古典的に労働者が長時間労働に追い込まれる理由だといいます。
事業家側は労働力が回復して毎日働いてくれるぎりぎりまで働かせる方法をいつも考えているのです。
労働者はお金と交換してくれないなら、唯一の商品である労働力(時間・気力・体力など)を差し出してはいけないのですがそうさせてしまう罠があるといいます。
それは出世競争です。
労働者の人権を無視して強制的に労働をさせることは難しくなりましたが、事業家は甘い言葉をささやいて労働者をみずからの意思で長時間労働に引き込んでいきます。
出世競争の罠に落ちるのが得でない理由
勤め人の多くが陥る罠が出世競争に巻き込まれることです。
私も経験があるというかまさに真っただ中にいます。
サウザー氏が全く理解できないと言っていた「仕事の褒美は仕事」という状況です。
こんなことがありました。評価者の上司が言います。「ナポレオン君、最近頑張ってるね。今度の米国開催の学会派遣に推薦しておいてあげたよ」
まさにこの海外出張が「仕事の褒美は仕事」状態です。
4泊5日の米国出張では9時から18時まで学会プログラムを聴講しながらレポートを仕上げます。完成しなかったレポートはホテルに持ち帰りです。
上司は学会で発表された内容のレポートを即、より上位の管理職に送ります。
ここまでが無事こなせてやっと本来の業務完了ですが、これではまだ及第点です。
出世競争での勝利を目指すなら、参加した学会での競合企業の活動をレポートしたり、今後の自社戦略に生かせそうなプランを企画書にまとめたりしないといけません。
そうしている間にも日本での仕事はどんどん溜まっていきます。
帰国後はたまった仕事の処理と出張レポート、本社での発表パワポづくりにおわれます。
1週間は自宅で深夜までPCの前に座っています。
出世の必要条件=評価者に気に入られることである場合、評価者からの依頼に全てを差し出して応えようとするサラリーマンはたくさんいるのではないでしょうか?
こうして時間・気力・体力をすいとられるのです
仕事の後に1日数時間でさえスモールビジネスができる気力と体力を残すことはとてもできません。
なぜ出世競争に巻き込まれてしまうのか?
それは感情の問題です。絶対出世するんだ!という気持ちはなくても、「出世できたほうがかっこいい」とか「出世できないとかっこ悪いな」という気持ちがあると巻き込まれてしまうのがこの出世競争の罠とそれにともなう長時間労働です。
自分が今出世競争の罠にはまってるな、と感じたら今やっている長時間労働はいまの自分の唯一の商品である労働力をうばわれている!ということを自覚したほうがよさそうです。
今回わたしは海外出張中に国内から仕事の連絡がこないように事前交渉し出張しました。
出張の仕事をしっかりしたいので集中できる環境をくださいという交渉をしました。
時間をささげて消耗するのを避けるためです。
本業以外から収入を得るという目的のために、まずは何か新しいことを始めるよりも、なにかをやめるところからはじめています。